新米とは?古米とは?
JAS法によると、『新米』と表示して販売できるのは、収穫年の12月31日までに精白・包装された精米だけです。ちなみに、前々年に収穫された米は古古米・古々米(ここまい)、以下同様に、古古古米・古々々米(こここまい)、古古古古米・古々々々米(ここここまい)と、古(こ)を収穫した年から現在までの年数分呼ぶそうです。
新米の特徴
新米は一般的に9月から10月頃から出荷されています。一方で、ツナギで販売している山形県産つや姫の中には11月頃から新米販売開始の商品もあります。このように、秋の味覚とされる新米ですが、産地や品種、栽培方法ごとにその時期は違います。
新米は「水加減は少なめに」炊くのがよいとされています。これは新米が水分を吸収しやすく、柔らかくなりやすいためです。炊飯器で新米を炊くときには、内釜に書いてあるメモリより少なめに水を張るとよいでしょう。筆者は少し固めのご飯が好きなので、新米を炊くときは、適正目盛りの8分目あたりまでで充分です。また、あまりゴシゴシと擦り合わせるとお米が割れてしまうことがあるため、ササッと手早く洗うのがポイントです。
柔らかくて粘りのある食感、白くてツヤがあり、甘い香り。農家さんが丹精込めて作った新米をいただく、それだけで幸せな気持ちになりますよね。
古米の特徴
お米の貯蔵方法が確立されてきた現代においては、温度や湿度を調整して、しっかり保存されているため、古米を長く美味しくいただくことができます。
古米は新米に比べて炊き上がりが硬く、粘りが少ないといわれていますが、お寿司やチャーハンなど、古米の方が向いている料理もあります。上記のように、新米を美味しく炊き上げるには「力を入れずにササッと研ぐこと」とされていますが、古米の場合は、「力を入れて少し強めに研ぐこと」で、古米の表面に付いたヌカ臭さをしっかりと落とします。炊飯時の水加減も新米とは逆で、炊飯器の内釜に書いてあるメモリより多めに水を張るとよいでしょう。
新米と古米のブレンド??
最近では、肉料理や魚料理など、料理に合うご飯にするために、「コシヒカリ+ミルキークイーン」、「ひとめぼれ+あきたこまち」などお米の品種が持つ特徴をうまく引き出すブレンド米が注目されています。この「料理に合わせてお米をブレンドする」という楽しみを、新米と古米で味わえるということ、ご存知でしょうか?
例えば、カレーライスに合わせたご飯を作りたいときは、新米だけだと粘りが出過ぎるご飯を、「新米:2〜3、古米:7〜8」の割合でブレンドすると、ルーと合わせてもベチャッとしすぎないカレーに合ったご飯が炊けます。
まるでコーヒー豆のブレンドみたいで、面白いですよね。一口に新米・古米といっても産地や品種によって特徴が違いますが、ご家庭で食べているお米をより美味しく楽しく食べるための、ちょっとした工夫ですね!
まとめ
新米・古米について、様々な角度からみてみましたが、いかがでしたでしょうか?
日本では、昔から初物を好む食文化があり、旬を大切にするため、旬の食べ物をいち早く食べることに人々は喜びを感じてきました。この「旬をいち早くいただく」喜びは、新米をいただくときの快感の一つではないでしょうか。
しかしお米は、しっかり保存していれば、古米でも充分美味しく食べることができます。上記でご紹介した、炊き方、ちょっとした工夫を加えれば、さらに美味しいご飯となって私たちを喜ばせてくれるでしょう。新米の喜び、古米の深み、それぞれの味わいを楽しむことも、美味しいお米をいただくことの醍醐味だと思います。ぜひ、皆さんも、お米が持つ様々な表情を、味わってみたくださいね!